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天上天下唯我独尊の意味とは?お釈迦様が伝えたかった事を解説

釈迦 仏陀天上天下唯我独尊の意味を知りたい方へ。

お釈迦様は、生まれてすぐにこの言葉を口にしたと言われています。この短くシンプルな言葉には、仏教の考え方の真髄や、お釈迦様の人生観が込められているのです。 

本記事では、「天上天下唯我独尊」という言葉の意味をご紹介いたします。

①お釈迦様は生まれてすぐに「天上天下唯我独尊」と言われた

お釈迦様は、母親である摩耶夫人(マハー・マーヤ)の右の脇から生まれたと伝えられています。そして生まれた直後に七歩歩いた後、右手で天、左手で地を指さし、「天上天下唯我独尊」とおっしゃったということです。 

生まれたばかりの赤ん坊が自分の足で歩いた上、言葉を発するというのは信じられない話ですが、聖母マリアの処女懐胎のように、歴史上の人物が美化されて語られることはままあります。この話もおそらく、その一つなのでしょう。

②世界中で私一人だけが尊いのは、今生で解脱することが決まっているから

お釈迦様の誕生を伝える『誕生偈(たんじょうげ)』には、お釈迦様が生まれた時、こう言ったと記されています。

「天上天下 唯吾独尊 今茲而往 生分已盡(世界の中で、ただ私一人だけが尊い。今こうして生まれてきたけれど、もう二度と生まれ変わることがないのだから)」

なぜ、二度と生まれ変わることがないから尊いのでしょうか。それは、仏教において目指す境地が、この世の苦しみから解き放たれること、つまり、解脱(げだつ)して二度とこの世に生まれ変わらないようになることだからです。

お釈迦様は今回の人生で人間界での修行を終え、この世を卒業することが決まっているので尊いのだと、生まれたその日に宣言したのです。

③魂は六つの世界を行き来している

地獄仏教では、魂はそれぞれの霊格によって六つの世界を行き来しているとされています。この仕組みを輪廻転生といいます。 

  • 一番上の世界が、天界。思ったことがすぐに叶う世界で、美麗な姿の男女が毎日あらゆる楽しみを味わいながら暮らしているといいます。 
  • 二番目が、人間界。善人もいれば悪人もおり、楽しみもあれば苦しみもある、私たちが今暮らしている世界です。
  • 三番目が、阿修羅界。傷つけ傷つけられる、争いが絶え間なく続く世界です。ただ、阿修羅は仏法の守護者と位置づけられることもあり、阿修羅界を人間界より格上の世界と解釈する宗派もあります。 
  • 四番目が、動物界。動物は、本能のままに生きることしかできません。当然、悟りを得ることなどできません。
  • 五番目が、餓鬼界。どれだけ食べても満たされない、絶え間ない飢えや渇きに苦しめられる世界です。
  • 六番目が、地獄界。苦しみと痛み、恐怖だけが、ただひたすら続く世界です。 

私たちの魂は、人生を終えて生まれ変わるたび、この六つの世界を行き来しているのです。

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④この世から解脱できるのは人間だけ

天界、人間界、阿修羅界、動物界、餓鬼界、地獄界の六つの世界の中で、悟りを開いて輪廻の輪から抜け出せるのは、人間界にいる時だけだと言われています。

天界は苦しみが存在しない世界ですから、人生について悩んだり考えたりする機会などありません。阿修羅界は、他人を罰し、罰せられる世界ですので、自らの人生を振り返って内省することはありません。動物界は本能に振り回されて深い思考ができない世界ですから、悟りを開くことはできません。餓鬼、地獄も同じです。 

悟りを開いてこの世から解脱できるチャンスは、人間界にいる時しかないのです。

⑤人間界に生まれた今こそ悟りを開くチャンス

ブッダさて、ここまで読むと、お釈迦様がなぜ「天上天下唯我独尊」と言われたのか、意味が理解できるのではないでしょうか。 

他の五つの世界にいる限り、悟りを開くことはできません。人間に生まれてきたということは、この六つの世界から抜け出す為の、またとない機会を得ることができたということです。

そして、お釈迦様と同じく人間界で暮らしている私達にも、同じように輪廻の輪から抜け出すチャンスが与えられているのです。

⑥今こうしてここに立っていることは奇跡

また、「天上天下唯我独尊」という言葉は、もう一つ別の解釈ができます。 

それは、「世界中(天上天下)どこを探しても私はたった一人しかいない。それは何と、尊いことなのだろう」という意味です。

たとえばあなたの両親が出会わなければ、あなたは生まれていません。もし、両親が会うはずだった日にちょっとした番狂わせが起きていたら、邪魔が入っていたら、二人は結ばれていなかったかもしれないのです。どちらかが別の場所で生まれ育っていたとしたら、あるいは周りから結婚を反対されたとしたら……。

そして、今までの人生において、出会う人が違っていたら、人生の岐路で別の選択をしていたら、違う時代に生まれていたら、あなたは間違いなく今のあなたではなかったはずです。 

そう考えると、あなたや私達がこうしてここに立っていることは、ありえないほど奇跡的な出来事だと言えるのではないでしょうか。お釈迦様だけでなく、私達一人一人が「天上天下唯我独尊」なのです。

 

最後に

ここまでの長文をお読み頂き、有難うございます。
お釈迦様が生まれた時に言われたという「天上天下唯我独尊」という言葉の意味は、理解できたでしょうか。

「天上天下唯我独尊」という言葉の意味の要点は 

  • ①お釈迦様は生まれてすぐに「天上天下唯我独尊」と言われた
  • ②世界中で私一人だけが尊いのは、今生で解脱することが決まっているから
  • ③魂は六つの世界を行き来している
  • ④この世から解脱できるのは人間だけ
  • ⑤人間界に生まれた今こそ悟りを開くチャンス
  • ⑥今こうしてここに立っていることは奇跡 

ということでした。
以上、最後までご覧頂き、有難うございました。