「魔境」という言葉の意味を知りたい方へ。
仏道修行の途中に待ち構えているという、恐ろしい「魔境」という罠について、聞いたことがある人は少なくないのではないでしょうか。精神世界について学ぶことは人生を豊かにしてくれますが、道を誤ると恐ろしい結果になることもあるのです。
本記事では、瞑想の危険性「魔境」とは何か、その意味や原因、症状、治療法などを解説します。
魔境は仏道修行の落とし穴
「魔境」とは、仏道修行を志す人が陥る罠のことです。たとえ仏教を学んでいなくても、精神世界に足を踏み入れた人は誰しも、この「魔境」に陥ってしまう危険性があります。
悟りを得られなかった修行者が正気を失う
古来より、仏道修行に失敗し、悟りを得られなかった修行者が正気を失うケースはたびたびあったようです。チベット仏教では、そのように正気を失った修行者のことを「ニョンパ」と呼んでいました。
釈迦も魔境に陥りかけた
釈迦が悟りを開く前、修行中の釈迦の元にマーラ(悪魔)が現れ、釈迦を陥れようとしたというエピソードがあります。
釈迦とマーラ
マーラはまず美しい3人の娘を送り込み、釈迦を誘惑しました。ですが釈迦が動じないので、今度は恐ろしい怪物たちに命じて釈迦を襲わせようとしました。けれど恐怖を感じない釈迦には効き目がなく、最後はマーラ自身が釈迦に襲いかかりましたが、マーラは釈迦に指一本触れることができませんでした。
そして、釈迦はすべての誘惑や恐怖に打ち勝って、悟りを得ることができたのです。
西洋にも魔境に似た概念がある
キリスト教圏にも実は、「魔境」に似た概念があります。「悪魔憑き」といわれるものです。魔境に陥った修行者と同じく正気を失ったり、体調を崩して日常生活がままならなくなるなどの症状が出ます(症状には個人差があります)
イエスも悪魔の誘惑に遭った
また、聖書には「イエスが聖霊に導かれて荒野に向かった時、悪魔の誘惑にあったが、それに打ち勝った」という記述があります。釈迦のエピソードに似ていますね。精神修行の最中、魔境に陥る危険性があるということは、洋の東西を問わず広く知られていたようです。