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瞑想の危険性「魔境」とは何か?意味・原因・症状・治療方法

魔境に陥ると心身に支障が出る

魔境のことを、禅では「禅病」、ヨーガでは「クンダリニー症候群」と呼び、よく似た症状が出ます。本人の元々の性格によって出る症状は異なりますし、症状の重さや軽さにもばらつきがあります。

魔境の症状

  • 統合失調症のような症状(誇大妄想、被害妄想、関係念慮など)
  • 幻覚、幻聴
  • 自律神経失調症のような症状(冷え、のぼせ、めまいなど)
  • 感情のコントロールができなくなる
  • 便秘、下痢
  • 皮膚がピリピリするような感覚
  • 頭痛、心臓の痛みなど

もし、統合失調症のような症状や幻覚、幻聴などが出てしまった場合、できるだけ早く医療機関での治療を受けてください。激しい症状が出ている時は、事件や事故などに巻き込まれることも考えられますので、極めて危険です。

魔境に陥らないためには

魔境に陥らないために大切なことを解説します。

①神秘体験を過大視しない

精神世界に興味を持つ人の中には、「神秘体験をしたい」「超能力を身につけたい」という願いを持っている人が少なくありません。そのような人が、1度、光や幽霊を見る・不思議な声を聞くなどの神秘体験をしてしまうと、その体験を過大視してしまいがちです。

神秘体験は魔境に陥る第一歩

ですが、それこそが魔境に陥る第一歩だと考えて下さい。霊感があるから人より優れているわけではありませんし、光を見たり、声を聞いたからといって、その正体が神々だとは限りません。もしかしたら、低級霊などが神を装ってあなたをからかっているだけかもしれないのです。

誘惑に乗らない心の強さが必要

禅の言葉に「仏に逢(お)うては仏を殺せ。祖(祖先)に逢うては祖を殺せ」という言葉があります。たとえ瞑想中にどれだけ神々しいものを見たとしても、決して惑わされないでください。釈迦が毅然として誘惑や恐怖を跳ねのけたように、誘惑に乗らない心の強さが必要なのです。

②謙虚さと慎重さを忘れない

悟りを得てもいないのに、「私は悟った」「もう誰からも学ぶことなどない」と勘違いして思い上がることを、増上慢(ぞうじょうまん)といいます。この増上慢に陥ってしまうと、修行の進歩や精神面での成長がぴたりと止まってしまいます。

「もう誰からも学ぶことなどない」

さらに「もう誰からも学ぶことなどない」と思い上がっている人に、物を教えようと思う人などいるはずがありません。そのような性格の歪みを自覚できないままでいると、人付き合いにも著しく支障をきたすでしょう。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

精神世界について学ぶ際は、普通に生活している時以上の謙虚さと慎重さが求められます。そして謙虚ささえ持っていれば、大人が幼稚園児から何かを学び取ることもできるのです。「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」という言葉を常に忘れないようにしましょう。

もし、魔境に陥ってしまったら

もし、魔境に陥ってしまったらどうすればいいか、その対象法をお伝えします。

①医療機関を受診する

妄想や幻覚、幻聴などが出ている場合は、精神科や心療内科で治療を受けて下さい。軽度の症状であればカウンセリングでも対応してもらえますが、激しい症状が出ている場合、投薬治療でなくては症状を抑えられない場合があります

神秘的な体験の後、統合失調症のような症状が出るケースはままあるようですので、きちんと説明すれば対応してもらえるでしょう(人によっては、パワースポットに行っただけで症状が出る場合もあります)

②気功や鍼灸などの治療を受ける

皮膚の痛み、頭痛や心臓の痛みなどは、気功や鍼灸などの東洋医学の方が効果があるかもしれません。できれば、チャクラや経絡などの知識がある先生にかかるのが望ましいでしょう。

病院によっては保険がきく場合もありますので、確認してみてください。

③ストレスを遠ざける

どんな病気でも同じですが、禅病は特に、ストレスによって症状が著しく悪化します。できるだけストレスがかからない生活を心がけましょう。

最後に

ここまでの長文をお読み頂き、有難うございます。
「魔境」というと恐ろしく感じられますが、謙虚さや慎重さを忘れず、神秘体験を過大視しない、バランスの取れた生活を心がけることで、魔境に陥るのを避けることはできます。たとえ瞑想中に神や仏の姿が見えたとしても、悪魔の誘惑を退けた釈迦やイエスを手本に、毅然とした対応をしましょう。

以上、最後までご覧頂き、有難うございました。