不幸や不運は報い?
ひどい目に遭ったり、辛い思いばかりしたり・・・。そんな渦中にいる人にとっては、それが「報い」であることはなかなか受け入れづらいことかもしれません。相手の間違いや至らない部分を責めたくなったり、自分は悪くないと主張したくなったりすることもあるでしょう。
あるいは逆に、漠然とした罪の意識に動かされて、「自分は罰を受けるべきだ」と辛い状況に甘んじてしまう、というケースもあるかもしれません。意識せずとも、自分の幸せを望めなかったり、なんらかの犠牲を負いがちな人は、きっとその無意識では罪悪感がうごめいています。
自分が撒いた種
いずれにせよ、そうした今生で出遭う「不幸」や「不運」は、どれほど相手や周囲が悪くてもやはり「報い」。自分が撒いた種であることを受け入れることは、カルマ思想を理解するうえでとても大切なポイントです。
仕返しや正当化をやめる
なぜなら、「報い」であることを受け入れないと、また仕返しをしたくなる気持ちを次の生につないでしまいますから。過去生のやったことにも責任を持って、まずは報いを受け止め、そして、仕返しや正当化をやめていくこと。そこまでがカルマの教えなのです。
カルマの解消①無条件の許し
カルマの法則は、「報い」であることを受け入れず、相手や周囲のせいにし続けていると、そこから逃れることはできません。
ならば、報いであることを受け入れればいい、ということなのですが、わたしたちは、結構な確率でそのチャンスをスルーしていたりします。意識的に向き合おうとしても逃してしまうこともままあるので、なかなか一筋縄ではいかないのがカルマの解消なのです。
なぜなら、明らかに相手が間違っているように思えるときに、それを「報いだから」と穏やかな心で受け止められるかというと、それには難しさを感じる人は多いでしょう。
自分から許すのがカルマ解消への道
ですが、そうした場合、怒りや復讐心を手放して、許すことを選べるように促す天地のサポートは確実に来ているもの。感情を抑え込んで次の生へと持ち越すのではなく、願わくばその時、その瞬間に「許し」を選びたいものです。
自分から許すのがカルマ解消への道。ですがもちろん、過去生の自分のやったことを水に流し、許すことが大前提です。自分を許せないのに、他者を許せるはずもありませんから。
内なる罪悪感を手放す
あなたの中にも、ふとすると沸きあがる罪の意識があるかもしれません。大手を広げて幸せを求めることができる自分になることは、カルマから解放されていく第一歩です。カルマ解消を望む人は、ぜひ内なる罪悪感を手放すことにエネルギーを注いでください。
カルマの解消②借りを返す
カルマの解消には「許すこと」が不可欠です。それなしにカルマから解放されることはありませんが、それと同時にやるべきこともあります。それは「貸し」を返すことです。といっても、「過去生で借りたお金を今生で返す」という単純なお話ではありません。
「お金の貸し借り」の場合
前述の「お金の貸し借り」の場合、考えてみるべきなのは、Aさんが、Bさんから借りたお金を返さないことによって、Bさんはどんな状況になったかということ。Bさんは、Aさんから返ってくるお金を当てにして何かを計画していたかもしれません。
その計画は、もしかしたら、たくさんの人を助ける事業だったかもしれず、それがAさんがお金を返さないことで計画倒れになったとしたら・・・。Aさんの過ちは、Bさんにお金を返すだけでは補えません。さらに言えば、Bさんの事業によって助けられるはずだった人にも計画があって、それも生み出されずじまいに・・・・ということにもなっていたりします。
ひとつの行いは、良しにつけ悪しきにつけ、こんなふうに波紋を広げてゆくものです。ですから、Aさんがカルマを解消しようとするなら、助かるはずだった人を助けるところまで視野に入れる必要があるのです。
カルマを解くチャンス
カルマを解くチャンスがどんなふうに訪れるかは、それこそ神のみぞ知ること。わたしたちがそれを正確に予知するのは難しいですし、どれがそうでどれがそうでないかを判別するくらいなら、目の前のこと、出会う全てに対して、心をこめて向き合うほうが誠実だと言えるかもしれません。
ポジティブなカルマ
ネガティブなカルマがあるなら、ポジティブなカルマもあります。そう、過去生で何かしら「善き行い」をしていれば、今生でその報いを受けてしかるべきです。それがわたしたちが「徳がある」とか「幸運」といった言葉で呼んでいるものです。その幸運を受け取り、さらに「善き行い」を重ねれば、未来も次の生も幸運に恵まれた人生を送れるようになることでしょう。
必ずしも善行ではないケース
しかしながら、一見すると「善き行い」でも、宇宙の大きな視点からすると、必ずしもそれが善行ではないケースもあるんです。
たとえば、社会的に弱い立場にある人を助けることは「善きこと」のように見えるかもしれません。ですが、「弱者」として扱うことで、その人自身に「自分は弱い」と思い込ませ、その立場に甘んじさせてしまう、ということもあり得ます。それが、「善い人」が必ず幸運を受け取ることができるわけではない要因のひとつなのです。
過去生の経験が今生で活きるケース
また、過去生において、何かの職業で成功した場合、それに関する才能やセンスを、今生でも楽々と発揮できるケースがあります。あなたが今生において「これが得意」と感じる事柄は、おそらくは過去生でもうまくいっていたこと。その才能やセンスを活かすことは、人生を豊かにするためのエッセンスとなり得るでしょう。
最後に
なかなか実感としては理解しづらい部分も多いカルマの法則ですが、こんな風に考えてみると少しわかりやすくなるかもしれません。過去生の自分も、今現在、自分の中に生きていると。そうすると、「報い」を、よりスマートに受け入れ、向き合うことが可能となるでしょう。
そして、ぜひ自分の行いの波紋をイメージしてみてください。きっと、今の選択の大切さに気づくはずです。自分と世界は決して無関係ではないのですから。
以上、深層心理セラピストの斎木サヤカがお伝えいたしました。最後までお読み頂き、有難うございます。