竜女(りゅうじょ)は変成男子
仏教の経典・法華経には、竜女と呼ばれる童女の逸話が出てきます。娑竭羅(しゃから)竜王の娘の竜女が、わずか八歳にして悟りを開いたという記述です。彼女は「変成男子」だったということです。
竜女は、竜神の加護を受けているといわれる女性達のことです。外見は普通の人間なのですが、以下のような特徴があります。
- 男性との縁が薄く、結婚に至ることが少ない。
- 結婚したとしても、相手が不幸な目に遭ったり死んでしまうことが多い。
- 水を好む。
- プライドが非常に高く、執着や復讐心が強い。
- 集団行動が苦手で孤独を好む。
- 波乱万丈な人生を歩むことが多い。
- 雨女が多い。
彼女達は、人間の女性としての幸福を味わうためではなく、悟りを得る修行のためにこの世に生まれてくる女性達といえるのかもしれません。いわば「変成男子」だからこそ人間の男性との恋愛がうまくいかない、と解釈することはできないでしょうか。
神や天使は両性具有
聖書に、以下のような言葉があります。
「復活の時には、人はめとることも、とつぐこともなく、天の御使いたちのようになります」
めとることもとつぐこともなくなるということは、性別がなくなるということです。
天使は両性具有、もしくは無性というのは、昔から多くのフィクションで描かれてきたことでもあります。日本には「七つまでは神のうち」という言葉があり、七才までの子供の性差が少ないのは神に近い生き物だからだと解釈されていました。
アダムとエヴァは元々一体だった
また、旧約聖書では、神はアダムを作り、後に、その肋骨から妻のエヴァを作り出しました。つまり、アダムとエヴァは元々一体だった(両性具有だった)と読み解くこともできます。
そして、男性が女性の格好をする、あるいは女性が男装して力を得るという文化は、世界のあちこちで見られます。日本神話の英雄・ヤマトタケルは女性に化けて宿敵を討ちましたし、「南総里見八犬伝」の主人公・信乃は子供の頃女の子の着物を着せられて育てられたというエピソードがあります。
異性装に関するタブーが強かった西洋でも、庶民の間では異性の服を着せて育てると丈夫に育つという伝承が根強く残っていたといいます。
「変成男子」とは二極性を超えたことを表しているのではないか
現代のスピリチュアルでは、この地球は二極性の星だといわれています。地球での学びを卒業するためには、男女、陰陽、自他、善悪などの、物事を二つに分けてしまう考え方を乗り越えなくてはならないとされているのです。
自分が生まれ持った性にとらわれない物の見方ができるようになれば、それだけ視野が広くなります。
「変成男子」とは、この男女の二極性を超え、性を超えた物の見方ができるようになった女性の寓意ではないでしょうか。
最後に
ここまでの長文をお読み頂き、有難うございます。
「女性は悟れない」「女性は天国へ行けない」というのはショッキングな文言ですが、現代においては必ずしも正しいとは限りません。むしろ、「変成男子」という抜け道が仏教・キリスト教の両方にあるということは、女性が悟る道筋もきちんと用意されているということです。一つの経典や聖書を盲信するのではなく、色々な物を見て、自分の目で判断するというのが重要なのではないでしょうか。
以上、最後までご覧頂き、有難うございました。