瞑想の危険性~クンダリニー症候群~
クンダリニーとは
クンダリニーとはひと言で言うと「生命エネルギー」のこと。精神修行においてはこの部分を覚醒することを目指すヨガもあり、人体においては仙骨の部分に位置しています。クンダリニーが覚醒すると、神秘体験がもたらされると言われています。
クンダリニー症候群
身体の鍛錬をしていなかったり、適切な呼吸をしないで瞑想をおこなっていくと、まれに体内から溢れるエネルギーに圧倒され、体調や心が不安定になることがあり、クンダリニー症候群と呼びます。ですが、意図的に仙骨部を刺激していない場合は、このような症状に陥ることはありません。
仙骨だけではなく、身体の全てにエネルギーが通るような呼吸を、日頃から心がけていると、このような症状には陥いることはないでしょう。
瞑想の危険性~魔境を見る
魔境
瞑想中に、なんらかの幻覚を見たり、幻聴を聞いたり、天使や神に出会う (と思う)体験をするケースもあり、魔境と呼ばれます。
魔境は、出会った本人は神秘体験だと思い込みやすく、悟りを得たと信じてしまうこともあるようです。ですが、実際の修行者に言わせると、ドラマティックな体験を期待するのは誤りで、そうした姿勢はある種の邪霊を憑依させるようなことにもなり得るとされています。場合によっては、精神疾患へとつながることもあるようです。
謙虚な心が大切
このケースは、成長や悟りより、特別でありたい願望やパワーへの憧れが強い場合に、足元をすくわれやすい危険のひとつです。もし、神秘的なものに触れることができたと感じた場合も、謙虚な心でその体験を見つめることが魔境に陥らないために遵守したいポイントです。
瞑想の誤解~ありそうでない危険「マインドコントロール」
瞑想のスクールに行くことを躊躇している人の中には、マインドコントロールをされる心配をしている人もいるかもしれません。
でも、誘導瞑想って催眠みたいだし、望まない変化を強引に植えつけられる心配はないのか、と思うでしょうか?もし、心配があるとしたら、自分自身の問題や悩み、痛みとか迷いを、「なんとかしてほしい」と丸投げするべく、瞑想の師やスピリチュアルを頼る場合です。
そもそも瞑想は能動的なもので、「やろう」という意志なくしてはできないもの。みずから洞察したい意欲がなければ有益な効果など得られようはずもありません。瞑想をしたいと思う人のほとんどは意志を持っておこなうので少なくてもマインドコントロールされる危険性はないのです。
瞑想の危険に陥らないために
瞑想の専門家に教えを仰ぐのが最もスムーズで安全ですが、独習が危険ということではありません。
既にお伝えしたように、日々の生活の中に短時間の瞑想を取り入れていくことがウォーミングアップになり、瞑想をする心が養われていきます。そうした習慣があれば、本格的に長時間の瞑想に入っても危険な状態になることはありません。
また、瞑想の導入と締めくくりは丁寧におこないましょう。特に終えるときには深呼吸をし、手を動かしたり足を動かしたりして、外気を感じたり、イスや地面と触れている感覚、さらには丹田に意識を向けてから、ゆっくりと目を開けていく。そうしたプロセスを大切にすると、より瞑想の効果を体感しやすいうえ、危険な状態に陥ることもなくなります。
最後に
瞑想も火も使いようによっては危険なこともありますが、「なんのために瞑想をするのか」さえはっきりしているなら、大きな心配はいらないのです。どう転んでも、瞑想中に出会うものは自分の一部。自分が自分を怖れて、危険だからと近づかないのも言ってみればおかしな話なのです。
それでももし、危険性を怖れる気持ちが消えないのなら、あなたの中にはまだ、隠しておきたいもの、気づきたくないことがたくさんあるのかもしれません。そんなあなたは、瞑想するよりまず、真実を知りたい意欲を高めましょう。それが瞑想の危険性を回避し、かつ、瞑想を豊かに楽しむための秘訣です。
以上、深層心理セラピストの斎木サヤカがお伝えいたしました。最後までお読み頂き、有難うございます。