「透視能力」をお調べになっている方へ。
透視能力とは、超感覚的に視覚化する能力の事です。テレビ番組で、裏返しになったトランプのカードの数字や図柄を当てたり、封筒に入った物を当てたりするのをご覧になった方もいらっしゃるでしょう。また、犯罪捜査などで、犯人の行方や遺体の発見などにも「透視能力」は利用されています。古くは、遠隔地の光景を知ることができる人を「千里眼」の持ち主と言いました。この能力も持っていれば、便利なものです。
本記事では透視能力について、分かりやすく解説いたします。
①透視能力とは超感覚的に視覚化する能力です
「透視能力」とは、通常の視覚にはたよらず、超感覚的知覚によって、映像的に認識できる能力です。
【透視能力を意味するクリアボヤンスの語源】
透視能力は、クリアボヤンス(Clairvoyance)と言われますが、この言葉は、フランス語から来た言葉で、その意味は英語では、「Clear Seeing」（はっきりと見えること）を意味しています。それは、超感覚的視覚能力（Extrasensory Perception）の一種です。ESPとも言われるものです。
【透視能力（クリアボヤンス）とはどんな能力か】
具体的には、物理的な視覚の範囲または能力を超えて物事や出来事を「見る」または可視化することによって、私たちに情報を与えてくれます。
【死者との交信にも使われる透視能力】
透視能力は、現実のものだけではなく、死者の霊とも交信ができます。例えば、亡くなった肉親が残したメッセージや大事な物が、家の中を探してもなかなか出てこない時に、亡くなった肉親との交信を通じて、保管されている場所を探し当てることもできます。
②日本の透視能力者・御船千鶴子の悲劇の生涯
御船千鶴子（1910年）
日本にも、透視能力者と言われる人がいました。御船千鶴子（みふね・ちずこ）という人です。明治時代の人ですが、まだこの時代は、サイキックな話は、「うさんくさい」と言われ懐疑的に受け取る人たちが多く、中傷され非難されて自殺に追い込まれてしまいました。
【御船千鶴子の生い立ちと経歴】
御船千鶴子（みふね・ちずこ）は、明治１９年（１８８６）に熊本県に生まれました。生まれつき難聴があり、成人するころには左耳が聞こえなくなりました。そのかわり、繊細な感受性と豊かな情緒を持っていました。
２２歳のとき、結婚しました。ある日、夫の財布からお金がなくなり、なかなか見つかりませんでした。千鶴子が、姑（しゅうとめ）が使っていた仏壇の引き出しにあると言い当てたことから、姑がそれを苦にして自殺未遂を起こす事件が起きてしまいました。この事件がもとで千鶴子は離婚することになりました。
【実家にもどってから透視の訓練を始める】
実家にもどってから、千鶴子は、当時中学の教員をしていた義理の兄から「お前は透視ができる人間だ」と言われました。義理の兄が催眠術の技術をもっていることから、「催眠術をかけて試してみよう」と言うことになりました。催眠術をかけられた千鶴子は、義兄からいろいろな質問をされ、それに対して答えましたが、それが全て当たったのです。千鶴子には透視能力があることがわかりました。
【東京帝国大学の福来友吉助教授の実験】
Mr. Tomokichi Fukurai, lecturer of the Shinshu University.
福来友吉（ふくらい・ともきち）は、東京帝国大学の心理学の助教授でしたが、御船千鶴子の評判を聞き、数々の実験を行いました。実験の成果はとても良い結果でした。
山川健次郎
これに対し、東京帝国大学の理学博士の山川健次郎も強い興味を示し、科学的な公開実験をすることになりました。
ところが、世間の評判は、当たらない場合は非難され、当たった時は詐術を疑われたたために、神経衰弱になり、２４歳の若さで自殺してしまいました。（明治４４年 １９１１年）
③透視能力があった明恵上人（親しい人の臨終を透視）
明恵上人
時代をさかのぼり、鎌倉時代の高僧に透視の逸話が残っています。その高僧というのは、明恵上人（みょうえしょうにん）のことです。
父親は平重国、母親は湯浅宗重の四女でした。９歳の時に両親を失い、翌年、京都の右京区にある神護寺にいた叔父の上覚という僧侶に引き取られ、その後仏門に入りました。あまりにも仏道を熱心に探求する気持ちが強く、釈尊に近づきたいと言う思いから右耳を切断したり、２度にわたってインドへの渡航を試みたりしました。１２０６年に後鳥羽上皇から京都の栂尾（とがおの）の地を賜り、高山寺を開きました。華厳宗の中興の祖とも言われました。
【法話中に親しい人の死を知る】
明恵上人が、高山寺で弟子たちに法話を行っていた時のことでした。急に法話を止めました。明恵上人の脳理に、ある男の姿が現れ、「明恵上人様、私もいよいよあの世に行くことになりました。お別れするのは辛いですが、死ぬ前に一目ご挨拶がしたくて参りました」と言うではありませんか。
驚いた明恵上人は、弟子たちに向かって言いました。「たった今、以前私の身の回りの世話をしてくれた男が、臨終を迎えています。法話の途中で、あなた方には申し訳ないが、今からその男の所に行って、見送ってあげたいので、しばらくの間、中座をさせてもらいたい」と言って、明恵上人は出かけました。
男の家に着くと、やはり、男は病の床にあり、臨終を迎えようとしていました。明恵上人は、男の手をにぎり、声をかけました。「安心するが良い。これから極楽に送ってあげよう」明恵上人が、念仏を唱えると、どこからか光が差し込んできました。男の体は荘厳な光に包まれて、魂がその光の中に入って行きました。男の魂を包んだ光は宙に浮かび、やがて外に向かって、音もなく出て行きました。家族は、明恵上人が男の魂を極楽に送ってくれたことに驚き、大変感謝をしました。
④イギリスの透視能力者ダイアン・ラザルス
ダイアン・ラザルス（Diane Lazarus １９６６～）は、イギリスの有名な透視能力者です。彼女は、その能力に目覚めたのは１０歳の時でした。その時は、亡くなった祖父の声を聞いたと言って、家族の人たちを驚かせました。彼女が本格的な名声を得たのは、「ジル・ダンドー（Jill Wendy Dando）殺人事件」でした。
【ジル・ダンドー（Jill Wendy Dando）殺人事件の概要】
１９９９年４月２６日、（１１：３０）イギリスの放送局BBCの人気女性キャスターであったジル・ダンドーが、ロンドンの自宅前で何者かによって殺されました。隣に住んでいた人の目撃情報によると、背の高さは６フィートぐらい、白人で、年齢は４０歳ぐらいに見えたそうです。ジルは自動小銃による一発の９ミリの銃弾を頭に受けることによって殺害されましたが、銃声は聞こえなかったそうです。
【警察の捜査】
警察では、バリー・ジョージ(Barry George)という男を容疑者として逮捕しました。ダイアンは、この事件を透視しました。透視の結果、逮捕された男は事件に無関係だということが見えました。そこで、彼女はマスメディアに対して、「この男は犯人ではありません」と訴えました。
警察で捜査を進めた結果、逮捕は誤認であることが分かりました。しかし、真犯人はわからず迷宮入りになりました。殺し方があまりにも鮮やかなので、プロによるものと見られ、北大西洋条約機構(NATO)のコソボ紛争に関わるセルビア人による暗殺ではないかという噂もあります。
⑤アメリカ軍とCIAは透視能力者を養成していた
「透視能力」は、犯罪捜査で活躍していますが、軍事的にも使用された時代がありました。
【CIAの公開文書】
数年前にCIAは、冷戦時に「遠隔透視」の研究をしていたという文書を公開しました。その中に、「スターゲイト・プロジェクト」と称される文書は、「遠隔透視」に関するものでした。
【スターゲイト・プロジェクトとは】
スターゲイト・プロジェクトという名称は、１９７８年にアメリカのメリーランド州フォートミード陸軍基地内に置かれた遠隔透視能力を使った軍事作戦のコードネームでした。アメリカ軍は、冷戦時に兵器として、遠隔透視のトレーニングプログラムに志願する人を募集していました。公開された文書には、「人間の遠隔透視能力は、もともと人間に備わっている能力であり、訓練によって開発できる」と書かれていました。
【ユリ・ゲラーが実験台に】
１９７０年代にスプーン曲げで日本中に超能力ブームを起こしたユリ・ゲラーにCIAは、遠隔透視能力の実験をしていました。ユリ・ゲラーは窓のない部屋に入れられ、別室にいる研究員の描く絵を透視するというものでした。実験の成果は完ぺきなものでした。対するソビエト側も同じように超能力の開発をしていました。その後、アメリカ陸軍ではこの研究の成果はなかったとして、１９９５年に終了しました。しかし、実際は秘密裏にユリ・ゲラーの遠隔透視による情報収集は続けられていると言われています。
⑥古代から使われている水晶玉で透視してみましょう
水晶というのは石英の結晶です。高度は７です。透明な六角柱の結晶構造をしています。天然のものは、数万年をかけて結晶を成長させていきます。代表的な水晶は、透明水晶、紫水晶（アメジスト）、ピンク色の紅水晶、黄水晶、黒水晶などがあります。
【水晶を見つめていると透視ができる】
古くから占いに使われていた水晶です。水晶の物理的な効果については、科学的な根拠が明らかではありません。しかし、水晶占いを信頼する人たちは、水晶に力があると信じています。いわゆる偽科学的な技術とされています。
【水晶玉を使って瞑想に入るとアルファ波が出る】
水晶玉を使って透視を行う場合は、静かな部屋であまり明るくない方が良いとされています。どんなことを透視したいかを決め瞑想します。瞑想によって、脳波は、アルファ波が出てきます。このアルファ波が出ることによって、脳内には、エンドルフィン、エンドカンナビノイド、ドーパミン、セロトニンなどの「幸福の神経化学物質」が分泌され、リラックス状態に入ることができます。
【第３の目を開く】
「幸福の神経化学物質」の分泌により、第３の目が開きます。第３の目が開くと、通常の視覚を越えて「透視」ができるようになります。
第３の目はひたいの中央付近、眉間より少し上の部分にあるとされています。医学的には、松果体といわれる脳の器官から分泌されるジメチルトリプタミンに関係していると言われています。このホルモンは、幻覚剤の一種です。依存症や毒性はありません。また自然界では、オレンジやレモンにも微量に含まれています。このホルモンによって、第３の目が活性化され、より高次元へのアクセスが可能になるといわれています。そのため第３の目は、「千里眼の視力」と呼ばれています。
【水晶の性質】
水晶には、変わった性質があります。電気を加えると正確な振動をします。これを利用して、クオーツ時計が作られました。また屈折率が大きく、光を当てると虹のような色を発生させます。
【水晶を持つ効果】
科学的な医療効果については、認められていませんが、水晶を持つと悪いことを吸収してくれるので、身に着けていると厄除けになると言われています。悪霊によるラップ現象も止める効果もあるそうです。パワーストーンの中では一番おすすめのものです。
【ガラスか水晶かの見分け方】
水晶を通して細い線を見つめます。ある一定の角度で二重に見えれば、本物の水晶です。透視に使う時は、本物の水晶を選びましょう。
⑦今話題の「透視能力者」シンディ・デール
シンディ・デール（Cyndi Dale １９５９～）は、アメリカのミネソタ州、ミネアポリスの国際的に有名な著作家であり、ヒーラー（Healer）であり、ビジネス・コンサルタントです。「透視能力」についての２０冊以上の著作をしています。その中に「Awaken Clairvoyant Energy」（覚醒した透視能力者のエネルギー）という本があります。その中に透視能力についての記述がありますのでご紹介致します。
⑴古典的な透視（Classical Visioning）
第３の目を通して、心の中の内的な透視能力によって視覚的に描き出されます。例えば、それは夢に見ることもあります。次にイメージとして、脳理に浮かび上がります。それは外部的に絵に描いたりして視覚化されたものを表現できるようになります。
⑵予言的な透視(Prophetic Visioning)
あることを透視したりする場合、それが現在の状態ではなく、未来のことを相談されたりした場合、そのイメージは、現実的な色合いではなく、幻のような白と黒の印影として映ります。不幸なことが予想される場合は、その色の度合いは黒く暗いものになります。ある女性からの相談で、見合い結婚がうまくいくかどうかの相談を受けた時に現れたのは、黒い煙幕のようなものに彼女は包まれていました。結局、彼女は離婚してしまいました。
⑶共感的な透視（Empathic Visioning）
透視をする時のきっかけは、いつもイメージだけとは限りません。いろいろな感情、感覚、あるいは認識なども重要なものとなります。例えば、ある男性が体に原因不明の痛みを感じ、透視を依頼してきた時に、その痛みは何であるのかイメージに変えなくてはなりませんでした。その時、現れたイメージは、キャンバスに描かれた油絵でした。結局その人は、両親を喜ばせるために、本当は画家になりたい夢をあきらめて法律の学校に進んでいたのでした。そのため、彼は神経性の病気になったのでした。
⑷言語的な透視(Verbal Visioning)
ある時は、透視をした時に、「言葉」として聴覚から情報が入ってきます。何度も同じ夢を見た時に、何の意味か分かりませんでした。その時、「言葉」が浮かんできました。それは、「カーペット」でした。後になって、それは家にいるかわいい子どもたちと犬のために大いに役に立ちました。
⑸未来的な透視（Future visioning）
透視がある特定の未来に予言的に現れる場合、事件が起きることをあらかじめイメージとして浮かび上がらせることができます。例えば、自動車事故の夢を見たことで、車で外出することを控えたところ、予定の時間にハイウェイでは大きな自動車事故が起きていました。その人は、事故に遭遇することを避けることができました。
彼女は、「透視能力の目的」について、次のように言っています。それは、ひとつは癒し（いやし）です。もうひとつは、物事を明らかにすることです。英語では、Healing and Manifestingと表現しています。「透視能力」は人々の幸福のためにあり、けっして個人的な利益のためにはないということを強調しています。それは、最終的な目的は「癒し」であり、「物事を明らかにすること」なのです。透視能力は、あくまで手段です。私たちの人生を幸せにする手段なのです。
最後に
「透視能力」のような超能力を持てば、金儲けにならないかと思うのは人情です。ところが、そういう超能力は、個人的な利益を求めると、能力が失われるそうです。「透視能力」も悪用すれば、プライバシーの侵害になります。もし、透視能力をもってしまったならば、悪用は考えず、人類のために使うようお願い致します。
以上、最後までご覧いただき、有難うございました。
