諸行無常とは?その意味を分かりやすく解説します

「諸行無常」という言葉の意味を知りたい方へ。

「諸行無常」という言葉を聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」で始まる平家物語の冒頭の文を思い出す人が多いかもしれませんね。けれど、詳しい意味までは分からないという人も多いのではないでしょうか。

本記事では、諸行無常とは何か?その言葉の意味を紹介します。

①諸行無常は「三法印」と「四法印」の一つ

「諸行無常」とは、仏教の根本的な理念である「三法印」の一つであるといわれています。 

諸行無常

全てのものは無常であり、常に変化している。永久に変わらないものはこの世に存在しないということ。

諸法無我

全てのものは互いに繋がり合っており、自分一人だけで存在している人、あるいは、これは自分のものだと言い切れるものはこの世に存在しない。自分の肉体でさえ、自分自身のものではないということ。

涅槃寂静

煩悩が消え、無智がなくなった悟りの世界には、静けさと安らぎだけが存在しているということ。

上記の三つを合わせた「三法印」に、以下の「一切皆苦」を加えたものを「四法印」と呼びます。

一切皆苦

この世のあらゆるものは苦しみを生むということ。

②変化しないものはこの世に存在しない

前の項目で簡単に説明した通り、諸行無常とは「この世に存在するもので、永久不変のものはない」という意味です。冒頭で少し紹介した「平家物語」の序文も、諸行無常を表現したものです。序文は、以下の通りです。

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理(ことわり)を表す
おごれる者も久しからず ただ春の夜の夢のごとし
たけき者もついには滅びぬ ひとえに風の前の塵に同じ

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり

「祇園精舎」というのは、お釈迦様やその弟子が修行していた建物のことです。祇園精舎には無常堂という建物があり、修行中に病気にかかって死を目前にした僧侶が隔離されていたといわれています。そんな祇園精舎に響く鐘の音を聞くと、命の儚さを実感せずにはいられなかったでしょう。

沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理を表す

沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理を表す

釈迦は「沙羅双樹」の木の下で入滅されたといわれており、涅槃や悟りを象徴する木だといわれています。そして「盛者必衰」とは、勢いのある成功者でも必ず衰えるということです。

平家物語は、平家が隆盛を誇っていた時代から始まっています。そんな平家が源氏に滅ぼされる物語は、人が築く栄華の儚さを多くの人の心に深く刻みつけたことでしょう。

③いろは歌も諸行無常を表現している

年配の方が「あいうえお、かきくけこ」ではなく、「いろはにほへと、ちりぬるを」と言うのを聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。このいろは歌も、実は「諸行無常」を表現しているのです。どのような意味なのか、見ていきましょう。

「色は匂えど 散りぬるを(いろはにほへと ちりぬるを)」
 色(花)は美しく良い匂いだが、必ず散ってしまう。

「我が世誰ぞ 常ならん(わかよたれそ つねならむ)」
 この世では誰一人として、変わらないものはない。

「有為の奥山 今日越えて(うゐのおくやま けふこえて)」
 有為転変(常に変化)する迷いの奥山を今日越えて

「浅き夢見し 酔いもせず(あさきゆめみし ゑひもせす)」
 浅い夢のようなこの世界で、夢に酔うことなく生きていこうではないか。

仏教では、この世は夢や幻のようなものだと説きます。ですが悟りを得て、この世の真実の姿を見ることができるようになれば、夢や幻に惑わされることなく生きていけるということです。

④物質的なものは必ず変化してしまう

また、「色は匂えど~」の「色」は「しき」と読むこともできます。「色(しき)」とは仏教用語で、「目に見えるもの」「存在するもの」「物質的なもの」などを表します。

つまり「色は匂えど散りぬるを」というのは、「目に見えるもの、物質的なものはどれだけ美しくいい匂いに思えても、必ず散ってしまう」と読むこともできるのです。

⑤苦しみも永久には続かない

ここまでの説明を読むと、「諸行無常」とはとても虚無的な考え方のように思えてくるでしょう。どれだけ努力して財産を築いても、その喜びは一瞬のものであり、どんな美貌もいずれ衰えてしまうと考えると、行動や努力する気力を持てなくなってしまうかもしれませんね。

平家物語もいろは歌も、人々が治安の悪さや疫病に悩まされていた平安時代、鎌倉時代に流行したものですから、虚無的、悲劇的な雰囲気が出てしまうのは致し方ないことなのかもしれません。

悲しみが未来永劫続くこともあり得ない

ですが、あらゆるものは変化し、不変のものはこの世に存在しないということは、苦しみや辛さ、悲しみが未来永劫続くこともあり得ないということです。どんなに苦しくても、その苦しみは一時的なものだという考え方は、今、苦しみの中にある人にとっては救いになるのではないでしょうか。

⑥物質的でないものは変化しない

また、「この世にあるもの、物質的なものは絶えず変化する」ということは、裏を返すと「この世のものではない、物質的でないものは変化しない」ということでもあります。

たとえば、仏法(ダルマ)はいつの時代も変わりません。仏法とは、釈迦やその弟子が見つけたこの世の法則のようなものです。お経や法話を読むと、人が味わう苦しみや悩みはいつの時代もそう変わらないし、時代が変わっても共通する部分は多いということに気付くと思います。数学的な発見なども、変化しないものと呼べるのではないでしょうか。

また、時代を超えて愛される芸術作品も、この世にはたくさん存在します。数百年前の作曲家や画家、彫刻家が作った作品に心を動かされるのは、それらの作品が時代を超えて感動を呼ぶ普遍性を持っているということに他ならないのではないでしょうか。

⑦三法印、四法印は方便といわれている

龍樹の著作である「大智度論」には、「まだ煩悩を絶つことができず、悟りに至っていない人々が『三法印』を信ずるべきである」と書かれているそうです。つまり、悟りを得た人は必ずしも「諸行無常」を信じているわけではないということにもなります。

悟りに至ると、「諸行無常」とは違う世界が見えてくる

仏教に限らず、精神世界の教義では、修行が進むと、前の段階で教わったことが単なる方便に過ぎなかったことを知るということが、ままあります。釈迦は相手の修行の進み具合や精神的な成熟度によって、説法の内容や指導の仕方を変えていたとも伝えられています。悟りに至ると、「諸行無常」とは違う世界が見えてくるのかもしれません。

 

最後に

ここまでの長文をお読み頂き、有難うございます。
「諸行無常」という言葉の意味を少しでも理解する助けになったのなら、幸いです。物事は常に移り変わるものですが、必ずしも悪い方向に変化するとは限りません。常に変化するものに惑わされることなく、この世の夢幻劇を楽しめるようになるといいですね。

諸行無常の要点は

  • ①諸行無常は三法印、四法印の一つ
  • ②変化しないものはこの世に存在しない
  • ③いろは歌も諸行無常を表現している
  • ④物質的なものは必ず変化してしまう
  • ⑤苦しみも永久には続かない
  • ⑥物質的でないものは変化しない
  • ⑦三法印、四法印は方便といわれている

ということでした。
以上、最後までご覧頂き、有難うございました。


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