子供のトラウマを解消したい方へ。
トラウマとは日本語で「心的外傷」と言い、肉体的、精神的に衝撃を受けたことで、長い間それのとらわれて生きている状態のことです。子供のトラウマは後の人生を破壊するとも言われていますが、そうならないために早い段階でトラウマを解消するためにはどのようなことをすればいいのでしょうか。

この記事では、ヒーラー、メンタルケア心理士の坂木理恵が、子供のトラウマを解消するために大切なことは何か、ご説明致します。
トラウマとは何か
トラウマとは、医学的な解釈では、感情的な痛みを伴う悲惨なできごとや打ちのめされるような経験によって心の傷が残ってしまい、その後の人生にも影響を与えるもの、と解釈されています。
トラウマとなるできごとは、私たちが思っている以上に日常に溢れています。子供のトラウマは、いじめや虐待など人から与えられるもの、事故や火事、そして自身などの自然災害などによって抱えこむようになります。
このようなトラウマは、時間が経てば癒えるというものではありません。大人になってから突然表に出てくるという場合もあります。
どの程度の経験でトラウマになるのかということは、他者にはわかりません。その子にとってそのできごとが怖かったというのは、主観的な体験でしかないからです。
子供のトラウマは早期発見が大切
自然災害や学校でのいじめ、家庭における虐待。最近は子供を脅かすようなできごとが増えています。
自然災害の時は、学校などで心のケアや健康観察なども行われていますが、それ以外のできごとにおいてはサインを見落としがちです。
例えば、家庭内では頻繁に夫婦げんかをするなど。大人にとってはいつものことかもしれませんが、見ている子供はそれによってトラウマを抱えてしまうということも多々あります。
トラウマによって心身に変化が起こることもあります。よく熱を出すようになった、腹痛を訴えるようになった、部屋に引きこもりがち、怖い夢を見て何度も目が覚める・・・などのサインを見落とすことなく、早く気づいてあげることが大切です。
子供のトラウマを解消する方法①安心やリラックスを与える
子供のトラウマを解消するためには、安心やリラックスを与えてあげることです。
肩を支えてあげる、ギュッと抱きしめてあげるなど、恐怖で固まってしまった体をほぐしてあげましょう。その時に大切なのは、抱きしめてあげる側も安心、リラックスしていなければなりません。言葉にしなくても感情は伝わります。
子供のトラウマを解消する方法②体に残った感情の記憶を解消する
トラウマは、恐怖によって体が硬くなったり胸が苦しくなったりという感覚が心の傷となっているのです。「心配いらないから」「大丈夫だから」と声をかけたとしても、体がそれを拒否しているという感じだと思ってください。
ですから、その感覚を取り除くためには受け止めることです。その子と同じ立ち位置で、一緒に体の反応に意識を向けてみましょう。これは一緒に受け止めてあげるということです。
そうすることで、恐怖という感情を発散することができるのですが、「一緒に受け止めてあげる」というのが重要です。
子供のトラウマを解消する方法③子供の話を聞いてあげる
こちらから無理に話をさせるのではなく、どんなことで傷ついているのかということを、子供が話したいときにゆっくり話を聞きいてあげることで、トラウマの解消になります。
そして、不安や恐怖、怒りや悲しみを感じるのは誰にでもある普通のことだということを話してあげましょう。また、自分を責めているようであれば、「あなたは悪くない」と言ってあげること。
話を聞いてあげるということは、気持ちを受け止めてあげるということです。それだけで、子供は安心感を得ることができます。
子供のトラウマを解消する方法④子供に楽しい場所を提供する
スポーツやいろいろな遊び、友だちとのコミュニケーションなど、楽しく過ごせる場所は信頼感を回復させます。
たくさんの人と交わることだけでなく、例えば絵を描くことなど自分の気持ちを表現できるものでもOKです。これは心の整理につながります。
また、簡単なお手伝いを頼んでみるのもいいでしょう。ほめてあげることで、心の傷が癒されるからです。ただ、これらは無理にさせるのではなく、子供のペースに合わせることが大切です。
子供のトラウマの心理療法
トラウマによって深刻な病態を引き起こしている場合、専門家による心理療法を受けることがベストです。
親の力で解消してあげることには限界があります。そして、子供のトラウマが実は親のトラウマとも関係していることもあるからです。そのため、心理療法は親子で受けることが望ましいとされています。
心理療法の目的は、子供に安心感を与える、自分でコントロールできる感覚を取り戻すということです。ただ、あまりにも症状がひどい場合は薬物療法も取り入れられるかもしれません。
本当は専門家の手を借りる前に、子供のトラウマを解消してあげることができるのが一番だと思います。
最後に

自然災害や事故などからくるトラウマは、どうしようもないことかもしれませんが、ちょっとした体験でも子供のトラウマになってしまうことがあります。
日頃の接し方や言葉遣いも注意しなければならないということですが、家庭内では、「バカじゃないの」とか「あっちに行ってなさい」など否定的なことを言わないだけでも、子供にとって安心できる場所となり、トラウマを抱えることも少なくなるのではないでしょうか。
子供のトラウマを解消する為に大切なこと
・早期発見が大切
・安心やリラックスを与える
・体に残った感情の記憶を解消する
・子供の話を聞いてあげる
・子供に楽しい場所を提供する

以上、ヒーラー、メンタルケア心理士の坂木理恵がお伝えしました。最後までご覧頂き、有難うございました。