大天使サリエルがどんな天使なのか知りたい方へ。
神の使いだと言われている天使たち。いつも私たちを見守ってくれている存在ですが、それぞれの伝説が残っていて、階級や種類によって担っているお役目も違いっています。
キリスト教ではあまりなじみのない天使もいますが、今回ご紹介する大天使サリエルもその一人です。サリエルという名前には「神の命令」という意味がありますが、どのような伝説とお役目があるのでしょうか。
本記事では、「大天使サリエルとは?その伝説とお役目を解説」をご紹介いたします。
①大天使サリエルは御前天使
大天使サリエルは、サラカエル、ザラキエル、スリエルなど、いろいろな異名を持っていますが、サリエルに関する記述は「エノク書」に残っています。
紀元前1~2世紀に成立したと言われているエノク書には、ノアの大洪水の予言などたくさんの文書がありますが、その中に天使や堕天使、悪魔についても書かれているのです。
エノク書は、エチオピア正教においては旧約聖書の正典とされていますが、ユダヤ教や主流のキリスト教では偽典と考えられているので、サリエルの名前はそこにはありません。ただ、新約聖書の正典には引用されていたりします。
エノク書によるとサリエルは七大天使の一人とされていて、神の前に出ることを許された御前天使の一人でした。
御前天使とは、いつも神の近くに侍り、神の意思を執行する権力を持っている天使です。サリエルはその力を使って、大天使ラファエルの右腕として働いていたと言われています。
②大天使サリエルは堕天使
エノク書にはサリエルが月を支配する天使であり、月の運行に関する秘密を人間に教えたと書かれています。
月は潮の満ち引きや生命の誕生、死亡など、私たちの生活にいろいろ深く関係しています。今では科学的にも解明されていることはたくさんありますが、古代の人々は月の運行には魔力があると考えていました。
サリエルはその月の運行に関する秘密を知っていた天使なのです。そして、サリエルはその月の秘密を人間に教えてしまったことから、神に逆らう者として非難され、自ら静かに堕天したとされています。
大天使サリエルは邪視を持っていた
また、堕天使と言われるもうひとつの理由は、邪視を持っていたからです。邪視とは睨みつけることで呪いをかける魔力のことですが、サリエルに睨まれたものは、病気や災害など突然の不幸に見舞われたといいます。
この魔力は死に至らしめるくらいに強力なものだったので、大変恐れられていました。このような伝説から、キリスト教ではサリエルが堕天使だという認識が強いようです。
③大天使サリエルは死を司る天使
大天使サリエルは死を司る天使であるとされていて、死者の魂を天国か地獄に導くというお役目があります。
死者の魂を大鎌で狩るという説もありますが、死を受け入れることができず、拒む者たちの魂をなだめたりしてあの世へ導いてくれます。時には脅したり騙したりして導くことから、恐れられることもあります。
しかし、恐れることはありません。それは全て死者を罪に誘おうとする悪しきものたちから守り、あの世にちゃんと送り届けるための優しさだからです。
また、天使たちがどれくらいの罪を犯したのかを見定め、堕天させる役目もあるといいます。
④大天使サリエルは月を支配する
月は潮の満ち引きに関係があり、人が生まれるのは満潮の時で亡くなるのは干潮の時だと伝承されてきましたが、月の運行は人の生死に関係していると考えられています。
サリエルの伝説の中の「月の秘密を人間に教えた」ということが出てきますが、サリエルには月を支配するというお役目があるのです。
月の運行に関する知識を持ち、人の生死に関わる月を支配するということは、死を司る役目にも深く関係していると思います。
⑤大天使サリエルは人の魂を見守る
エノク書では「霊魂を罪にいざなう人の子らの霊魂の看守である」とあり、人間の魂を汚さないようにするのもサリエルのお役目なのです。
サリエルは、悪魔のことを知り尽くしている天使です。戦って勝つためには、知っていなければならないから。
私たちの周りには良いものだけではなく、悪しきものもたくさん存在していますが、悪しきものに人間の魂が汚されることがないよう、サリエルがいつも見守ってくれていると言われています。
⑥大天使サリエルは悪を監視する
邪視を持つサリエルの強力な魔力は恐れられている反面、不正や虚偽を見破り真実を見抜く力があると言われています。
自分だけが得をしたいという利己的な考えを持つ者、誰かを陥れようとする者など、サリエルには悪を監視するお役目があります。そして、必要であれば、悪と戦う力も持っています。
教皇がサリエルの名前を書いた護符を発布したという話も残っていますが、この護符を持つことでサリエルに守ってもらえたといいます。大天使サリエルに守護をお願いすれば、私たちは安心安全に暮らすことができるはずです。
最後に
ここまでの長文をお読み頂き、有難うございます。
陰陽で考えた場合、月は陰であり太陽は陽です。月を支配していたサリエルは恐れられるほどの魔力を持ち、堕天使だとも言われ、陰の要素たっぷりの大天使ではないかと思います。
陰だから悪いということではなく、この世は全て陰と陽でできているので陰のエネルギーも大切です。大天使サリエルは、きらびやかな華やかさはないと思いますが、私たち人間の魂に関わる重要な役目を担っています。悪しきものによって私たちの魂が汚れることがないよう、ひっそりと見守ってくれているのを感じませんか?
「大天使サリエルとは?その伝説とお役目を解説」の要点は
- 大天使サリエルの伝説①御前天使
- 大天使サリエルの伝説②堕天使
- 大天使サリエルのお役目①死を司る
- 大天使サリエルのお役目②月を支配する
- 大天使サリエルのお役目③人の魂を見守る
- 大天使サリエルのお役目④悪を監視する
ということでした。
以上、最後までご覧頂き、有難うございました。