六道輪廻図
六道輪廻図

仏教における「六道」の中の「天道」について知りたい方へ。

「天道」は、死後の世界のひとつです。「天道」というと楽しく快適な世界のようですが、油断は禁物です。その快楽さえも苦しみのひとつなのです。

本記事では、仏教における「天道」とは何か?分かりやすく解説します。

①「天道」とは、「六道」の中では一番楽しく快適な世界です

「天道」は、前世で良い事をしてきた人が生まれ変わる場所です。六道の中では最高の場所です。須弥山の上空に行けば行くほど、幸せを感じることができます。

神通力も使え、心に思うだけでどこにでも行けます。そのように念じるだけで良いのです。ですから、そこにいるだけで幸せな気分になれます。美と平和に満ち、怒りも悲しみも、苦しみもありません。 

「天道」は、須弥山の中腹から始まり、上空に向けて28段階の世界があります。「天界」や「天上界」とも言います。

②「天道」の構造

「天道」の構造を簡単に説明します。「天道」には3つの大きな世界があります。欲界、色界、無色界の3つです。

  • ⑴欲界・・・欲界には2つの世界があります。
    地居天(じごてん)・・・須弥山と地続きの世界です。
    空居天(くうごてん)・・・須弥山よりも上の世界です。
  • ⑵色界・・・肉体は物質的に残っています。
  • ⑶無色界・・・物質を超越して、精神世界となります。

以下にそれぞれの世界を詳しく説明します。

③「天道」の「欲界」とは

「欲界」には、地居天(じごてん)と空居天(くうごてん)の2つの世界がありますが、地居天(じごてん)も空居天(くうごてん)の中にも、さらに細かい世界があります。

地居天(じごてん)には、2つの世界があります。

  • ①下天(げてん)
  • ②忉利天(とうりてん)

の2つの世界があります。

そして、空居天(くうごてん)には、更に4つの世界があります。

  • ①夜摩天(やまてん)
  • ②兜率天(とそつてん)
  • ③楽変化天(らくへんげてん)
  • ④他化自在天(たけじざいてん)

の4つです。

6つの天界を総称して六欲天という

これらの世界にある6つの天界を総称して六欲天といいます。なぜ欲の字が付くかと言うと、天道の世界に生きるものは、まだ食欲や性欲があるからです。

それでは、地居天(じごてん)の中身を説明していきます。

⑴地居天(じごてん)

地居天の構造から説明します。ここには、下天(げてん)と忉利天(とうりてん)の二つの世界があります。

①下天(げてん)

下天(げてん)には、四天王が住んでいますその役目は下天が一番地上に近いので、天道を荒らす者が侵入してこないように守っています

  • 持国天・・・下天の東方を守っています。
  • 広目天・・・下天の西方を守っています。
  • 増長天・・・下天の南方を守っています。
  • 多聞天・・・下天の北方を守っています。

②忉利天(とうりてん)

忉利天(とうりてん)は、下天の上にあります。帝釈天(たいしゃくてん)をリーダーとする三十三天が住んでいます。帝釈天は千個の目を持っているので「千眼天」とも言われます。釈尊を守り仏道修行者を保護する役目を持っています

⑵空居天(くうごてん)

空居天の構造は、次の4つの世界があります。下から上の世界を順に説明します。

①夜摩天(やまてん)

夜摩天(やまてん)・・・ここは、もともと閻魔が治める世界でした。閻魔は、サンスクリット語で「ヤマ」です。それでこの世界を夜摩天(やまてん)と呼んでいます。焔摩天(えんまてん)とも言います。

②兜率天(とそつてん)

兜率天(とそつてん)・・・夜摩天(やまてん)の上にあるのが、兜率天(とそつてん)です。仏教の開祖である釈尊が住んでいましたが、釈尊の後は、弥勒菩薩が住んでいます。弥勒菩薩は、将来人間界に降臨し、衆生を救うために修行を積んでいます。観史多天(としたてん)とも言います。

③楽変化天(らくへんげてん)

楽変化天(らくへんげてん)・・・兜率天(とそつてん)の上にあるのが、楽変化天(らくへんげてん)です。ここに生まれ変わった者は、自ら楽しい境遇を造り楽しむことができると言われています。

④他化自在天(たけじざいてん)

他化自在天(たけじざいてん)・・・空居天の最上位にあるのが、他化自在天(たけじざいてん)です。この世界に生まれ変わった者は、名前の通り他の下位の天の楽しみを見て、自分の楽しみとすることができる世界です。精神的には更に高尚な境地と言えます。

④「天道」の「色界」とは

「天道」のなかの「色界」では、六欲天のような食欲や性欲は無くなっています。しかし、肉体は持っています。この色界には、4つの世界があります。 

⑴初禅天

この世界には梵天(ぼんてん)の仲間が住んでいます。大梵天(だいぼんてん)、梵輔天(ぼんほてん)、梵衆天(ぼんしゅてん)の三種類です。

梵天は、釈尊が悟りを開いた時に、「この悟りは難しすぎるので、人々に伝えるべきかどうか」と迷いました。そこに現れたのが梵天(ぼんてん)です。「どうか衆生のために真理を説いてください」と釈尊を説得しました。それで、釈尊は仏教を説くようになりました。

⑵第二禅天

ここには3天の世界があります。ここは光の世界です。清い光が肉体世界から精神世界への向上のために、全てを清めていきます。少光天(しょうこうてん)、無量光天(むりょうこうてん)、極光浄天(ごくこうじょうてん)の3つの世界があります。

⑶第三禅天

ここには、3つの天の世界があります。あらゆる苦悩が消えていきます。少浄天(しょうじょうてん)、無量浄天(むりょうじょうてん)、遍浄天(へんじょうてん)と進み、さらに高度に精神的な境地の存在となります。

⑷第四禅天

ここには、8つの天の世界があります。ほとんど肉体的存在が消えかかってしまうところです。下から順に進むに従って、肉体の存在が消えていき、精神的な活動が盛んとなり意識としての存在が濃厚になっていきます。 

  1. 無雲天(むうんてん)
  2. 福生天(ふくしょうてん)
  3. 広果天(こうかてん)
  4. 無想天(むそうてん)
  5. 無煩天(むぼんてん)
  6. 無熱天(むねつてん)
  7. 善見天(ぜんけんてん)
  8. 善現天(ぜんげんてん)
  9. 色究竟天(しきくうぎょてん)

色界の最高位にあるのが色究竟天(しきくうぎょてん)です。別名を阿迦尼咤天(あかにたてん)とも言います。また、この世界を有頂天とする場合もあります。

⑤「天道」の「無色界」とは

「無色界」には、4段階の物質のない精神だけの特別な世界があります。ここに生きる者は、「色界」に比べると肉体を持たない純粋な精神世界にいることで、真理を見極める力が、ますます進んできます 

⑴空無辺処(くうむへんしょ)

無色界の最下位ですが、すでに肉体はなく精神世界に向かっての入門編を学びます。

⑵識無辺処(しきむへんしょ)

次の段階に進んで、精神的に考える存在として宇宙を認識できるようになります。

⑶無所有処(むしょうしょ)

過去・現在・未来を超越し、何も存在し所有しないと感じる世界。

⑷非想非非想処(ひそうひひそうしょ)

この世界を有頂天とする場合もあります。認識は宇宙の広がりすべてに及びます。

⑥天道についてここまでのまとめ

「天道」の世界も「無色界」まで来ました。「天道」は「六道」の中でも最高の場所ですが、まだそれだけでは、解脱には至りません。

  • 欲界・・・食欲や性欲を持つ者が生きる世界。
  • 色界・・・欲望からは離れた者が生きる世界ですが、肉体は残っています。
  • 無色界・・・肉体も消え、精神だけが生きる世界です。

天界とはどのような世界か「性欲」で解説

天界がどのような世界かバロメーターとして、性欲を例にとると、地居天(じごてん)の忉利天(とうりてん)は、帝釈天を中心とした世界なのですが、驚いたことに「戯女市」(げじょし)という歓楽街があります。

しかし、天界も上層になれば、次第に煩悩から離れていきます。空居天(くうごてん)の夜摩天(やまてん)まで行くと、女性を軽くだきしめただけで欲望は収まるそうです。もっと上の世界の楽変下天(らくへんげてん)では、ほほえみあうだけで満足し、他化自在天(たけじざいてん)では、見つめ合うだけでも十分と言われています。

「天道」は「六道」の世界のひとつに過ぎない

それでも、「天道」は、「六道」の世界のひとつです。「無色界」に行けたとしても、いつかはその世界を去らねばなりません。輪廻転生からは逃れることはできないのです。次に「天道」を去るときの苦しみについて説明致します。

⑥「天人五衰」とは

毎日が快楽の日々を送る「天道」ですが、ここに生きる人たちにも寿命があります。最短の人でも900万年あるとされています。寿命がつきれば、死ななくてはなりません。 

「天道」も輪廻の世界に変わりありません。時が来れば、次の世界に生まれ変わるのです。今までの快楽の世界も終わりを告げる時、その悲しみは大きいと言われています。その苦しみは、地獄にいる時よりも16倍も苦しいというのです。

「天道」での臨終の間際におきる現象は次の通りです。

天道での臨終の現象「天人五衰

  • ⑴頭上の冠の花がしぼむ
  • ⑵わきの下に汗がでる
  • ⑶衣装がみすぼらしくなる
  • ⑷体からのオーラが出なくなる
  • ⑸気分が滅入って鬱状態になる

「天道」にいても、輪廻転生に不安を覚え、悲しみ、そして苦しむのです。なぜ善行をしたものが、こんな仕打ちに会わなければならないか、そこが仏教の目的なのです。結論は、善行だけなら、「天道」にも行けますが、限度があります。それ以上の苦しみから逃れるためには、「極楽浄土の世界」にいかなければならないのです。

⑦「善因楽果、悪因苦果」

「天道」も六道輪廻の世界のひとつであるので、いつかは寿命が終わります。「天人五衰」の悲しみを避けることもできません。そこでやけになって、自暴自棄になれば、悪い業(カルマ)を残すことになります。

カルマの法則

阿毘達磨倶舎論(あびだつまくしゃろん)では、因果応報について、過去の業(カルマ)は、現在を決定し、現在の業(カルマ)が未来の境涯を決定するものだと言っています。

そうだからと言って、因果応報を悲観的な運命論的にとらえてしまうと、不幸な人生を克服もできず、来世の人生も良くなりません。

現在の不幸な自分を嘆いて、自暴自棄になるよりも、勇気をもって、一生懸命、「善」に努力して未来を明るいものにできると信じることが必要なのです。

俱舎論では、善因善果あるいは悪因悪果ではなく、善因楽果あるいは悪因苦果と言っています。良い事をしておけば、今よりは好ましいことになりますが、悪いことをすれば、好ましくないことになりますという意味です。

⑧「西方極楽浄土」

極楽・天国

「天道」にいる人は、次の上の世界である「極楽浄土」をめざすべきです。その中でも私たちに一番親しみがあるのが、「西方極楽浄土」です。この極楽浄土は、阿弥陀如来が創った世界です。

極楽は理想郷

極楽は理想郷です。美しい宮殿や楼閣があり、良い香りの花々が咲いています。宝石の実がなる樹木や川や池の底には金の砂が敷き詰められています。住居は、四宝(金・銀・瑠璃・水晶)で飾られ、庭には七宝の池があります。池には蓮の花が咲き乱れています。服装は、豪華な装身具で飾り立てられているのです。

毎日の生活は、仏の説法に始まります。極楽という場所では、毎日が修行の生活なのです。

⑨「四十八願」

「天道」にいる人たちが、一番「極楽浄土」に近いですが、私たちも「極楽浄土」に行けるチャンスはあります。

阿弥陀如来は、もともと無諍念王(むじょうねんおう)といい、出家して法蔵(ほうぞう)となりました。彼は、世自在王仏(せじざいおうぶつ)の下で修行して、四十八の願を立てることを誓いました。その中でも一番重要なのが、「王本願」(おうほんがん)と呼ばれるものです。

「王本願

「どんな悪人でもかまわない。心の底から私を信じ、極楽浄土に生まれ変わりたいと願う者がいるのなら、その者がわずか十遍でも、『南無阿弥陀仏』と唱えたならば、その者を必ずこの浄土に生まれ変わらせたい」と阿弥陀如来は、そのように願ったのです。

 

最後に

ここまでの長文をお読み頂き、有難うございます。
「天道(天上界)」への転生は、よほどの善行がなければ入れません。凡人には無理と考えた方が良いでしょう。それよりも、阿弥陀如来様がおっしゃるように、「南無阿弥陀仏を毎日、十遍でも良いから唱えなさい、そうすれば極楽に行けますよ」というお言葉に従ってみるのも良いのではないでしょうか。

落語に出てくる話に、「身投げ」をしようとしている人の話があります。どんなお経の文句を唱えたら、成仏できるかということで、それぞれのお経の特徴から、可笑しみが出てきます。

橋のたもとから身投げをしようとしている人が、唱えるのが、やはり、「なむあみだぶつ」で、ございます。これが、日蓮さんの「なんみょうほうれんげきょう、デンツク、デンデンツクツク」だと、元気が良すぎて死ぬ気がなくなりますな。

そうかと言って、空海さんの「おんあぼきゃ、べいろしゃのう、まかぼだら、まにはんどま、じんばら、はらばりたや、うん」では、長すぎてこれから身投げをするのを忘れてしまいそうでございます。

やはり、「身投げ」には、「なむあみだぶつ」を3遍、ゆっくり唱えて、終わったところで、ドボーンと飛び込むのが、一番よろしいようで・・・(笑い)

以上、最後までご覧頂き、有難うございました。


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