②中世の予言者ノストラダムスは本当に予知能力があったのか?
歴史的に、有名な予言者と言えば、ミシェル・ノストラダムス(1503~1566)です。彼はフランスの医師、占星術師、詩人です。
【ノストラダムスの経歴】
15歳ごろ、アヴィニョン大学に入学し、いろいろな学問を学びました。特に天文学に優れていたと言われています。1529年にモンペリエ大学医学部に入学しました。医師としての勉強を積み博士号を取得しました。1544年にマルセイユの医師、ルイ・セールに師事し、診察を行いました。1546年に流行したペストには、医師として治療に努めました。1547年に名家の未亡人アンヌ・ポンサルドと結婚しました。
【予言者として】
1555年7月に国王アンリ2世とカトリーヌ・ド・メディシスから招待を受けました。以後、ノストラダムスはカトリーヌに気に入られ、子ども達の未来を占うことになりました。彼の占いで、子どもたちの中から、王になるという予言は、三男が王となったため、彼の予言が当たりました。
【的中したとされる予言】
⑴1559年国王アンリ2世の死を予言
予言集の主要部分をなす四行詩には、
「若き獅子は老いた方を凌駕するだろう。一騎打ちによる戦いの野で。(後略)」
祝宴の席でアンリ2世と近衛隊長による馬上試合が行われました。その時、槍がアンリ2世の目にささり、それがもとでアンリ2世は亡くなりました。
⑵1566年7月「ノストラダムスの死」を予言
予言集の主要部分をなす四行詩には、
「大使館から帰還して、(中略)ゆえに神のもとへ召されるだろう。(中略)寝台と長椅子の知覚で突然の死が発見される」
⑶第2次大戦とヒトラーの出現を予言
予言集の主要部分をなす四行詩には、
「差し迫った年に、(中略)ラインとヒスターから来たと噂されるだろう。(後略)」
他に6編のヒスターに関する詩編があり、ヒトラーの残虐な行為と一致しています。詩編には、ヒトラーではなく、ヒスラーと書かれていますが、発音もスペルも酷似しています。
⑷2001年9月11日の「アメリカ同時多発テロ」を予言
予言集の主要部分をなす四行詩には、
「空は燃える45度で、炎は近づく大いなる新都市に、時はうつさずばらまかれた巨大な火が跳ね回る、ノルマン人を試さんと欲する時」
詩編の中の45度は、ニューヨーク州の緯度と合っていると言われています。
⑸2011年3月11日の「東日本大震災」を予言
予言集の主要部分をなす四行詩には、
「地球の真ん中から地震が火を噴き新しい都市の周辺をゆるがすだろう。二つの巨岩がながらく戦争を続け、やがてアレトゥーサが、新しい川を赤く染めるだろう」
アレトゥーサは、ギリシャ神話に出て来る美しい女神です。二つの巨岩とは、アメリカとロシアかもしれません。アレトゥーサが、日本だとすると、将来、日本は赤い血に染まった戦場となるのかもしれません。
【当たらなかった予言・恐怖の大王】
予言集の中の第10巻72番の詩に登場する「恐怖の大王」は、一大センセーションを巻き起こしました。その内容は、1999年に起きる人類滅亡を意味していました。その四行詩には、
「1999年7カ月、空から恐怖の大王が来るだろう、アンゴルモアの大王を蘇らせ、マルスの前後に首尾よく支配するために」
と書かれていました。恐怖の大王とされたものとしては、空からの空軍の大編隊、異星人、隕石などの天体の衝突、核ミサイルなどと世間では騒がれましたが、実際には何も起きませんでした。
ノストラダムスの四行詩は、とてもあいまいな書き方をしています。事実に適合しそうな、四行詩を、後から探すことが可能なので、現在は予知能力があったのかどうか疑問を持つ人もいます。
続いて、予知夢についてお話しいたします。