人と関わるのが苦手、ストレスに感じる、といった程度のことも含むと、対人恐怖症にお悩みの方は、潜在的にもかなり多いと言えるかもしれません。人と全く関わらないで生きることはできないですし、好きな人とだけ接していくことも難しいものです。
どちらにせよ関わる必要があるのなら、願わくばストレスに感じないように、むしろそれが楽しみになるようになれたら、人生は根本的に新たに変革を遂げるかもしれませんね。
対人恐怖症を克服するには、その恐怖がどこからくるのがを探るのが一番。では、克服するために大切なポイントを8つお伝えしていきます。
対人恐怖症とは
対人恐怖症とは、社会における人との関わりに、強いストレスを感じる神経症の一種だとされています。震えや発汗、筋肉の収縮等の症状が身体に表れ、思うような自己表現ができないと感じる状態に陥るケースも多いようです。
あるいは、外見としてはストレスを感じていないように見せることは可能ながら、内面としては強い緊張と不安を抱いているという人もいます。対人恐怖症ゆえに、他者と共有しづらい感覚なだけに、ストレスを溜めやすい心理のひとつだと言えるでしょう。
どんなときに対人恐怖を感じるか?
怖れを感じる状況に出会うとき、わたしたちの心ではどんなことが起こっているのでしょうか。
もし「怖い」と思うものに出会ってしまったら、多くの人が逃げたくなることでしょう。その怖い対象がもし言葉や行動で攻撃してくるなら、逃げるというのは、とても当たり前の選択だと言えます。その場合にあなたの行動を責める人はいないでしょう。
ですが、「怖い」と思うけれど、具体的な攻撃をしてこない場合、これが対人恐怖症を感じるケースかもしれません。逃げる必然性もないし、逃げるわけにはいかないというときは、ストレスは強くかかってくるはずです。
つまり、これから何か良くないことをされるのではないか、被害を受けたり、攻撃されたりするのではないか、というイマジネーションが恐怖を生じさせるということです。
対人恐怖症とイマジネーション
要するに、恐怖の正体はイマジネーション。想像力の産物なのだと言えます。
だって、まだ攻撃されていない対象や初めて出会うものに対しても、怖れを感じてしまうというのは、怖れるべき未来を想像している、ということ。イマジネーションの力が豊かであるほど、実は対人恐怖症になりやすいのだと言えます。
このイマジネーションはトラウマと言い換えることもできますが、トラウマも傷ついた記憶から生じるもの。記憶はあくまでも記憶であり、今現に出会っているものの真実を語ることはありません。ゆえに、誤解を怖れずに言うなら、トラウマもイマジネーションの一種だと言えるでしょう。
トラウマも、イマジネーションの一種だと捉えてみると、もっと癒すことが容易いと感じられるのではないでしょうか。
悪口を言われていると感じる時の対人恐怖症の克服法
ひそひそ話をしていると、自分の悪口を言っているのではないかと感じたり、ちょっとした周囲の人の態度が自分を避けているように感じたり。そんなとき、心がきゅっと苦しくなる感覚があるかもしれません。
それは、なんらかのトラウマが影響している感覚なので、克服するには、まず、記憶が反映されているのだということを思い出しましょう。過去が必ず繰り返されるものではなく、あなた自身が必ずそういう目に遭うべき、ということもないのですから。
そして、少し客観的に状況を見つめられるようになったら、自分を内観してみましょう。「人は悪口を言うもんだ」と思っていませんか? あなた自身、誰かの悪口を心の中で言っていませんか?
だからこそ、自分が同様の目に遭うかもしれない、と怖れていることに気づけたら、少しずつ恐怖に翻弄されることはなくなっていきます。