「運命」という言葉は、一般的には「人の意思をこえて、幸福や不幸を与える力」といった解説がされていることが多いようです。
本当にそのような力は、この世界に存在しているのでしょうか。もし、あるのだとしたら、それはいったいなんなのでしょう?なんのために、そのような力があるのでしょうか。
今回は運命とは何か?その意味を詳しく分かりやすく解説していきます。
運命とは何か?その意味を分かりやすく解説
運命とは個人の内なる感覚
わたしたちが「運命」を感じるのはどんな時でしょう?偶然が重なったり、偶発的な出来事、事件や事故などにも、なんらかの人の意思を超えた「運」のようなものを感じるかもしれません。
ですが、不意に起こることや偶然に出会うものは、日々数え切れないほどあるはず。それなのに、どうして「運命」と感じるものと、感じないものとがあるのでしょう?
内なる感情が強く動かない出来事や出会いは、運命ではなくて、心が動揺するようなことだけが運命なのかというと、もちろんそんなことはありません。
「運命」というものがあり、もし、それが人の意思を超えたものであるなら、わたしたち人の感情を物差しに運命かどうかを判断できるはずはありません。
そう、つまり「運命的」という感覚は、わたしたち個人の内なる感覚であり、わたしたち人の持つフィルターのひとつなのです。
運命とは後になって感じるもの
振り返ってみると、誰にでも「人生の分岐点」というものがあるのではないでしょうか。「あの時、あの道を選んでいたら・・・」とか、「あの時、この道を選んで良かった」とか、「あの時、あの人と出会ってなかったら・・・」とか。そういったポイントのひとつやふたつあるかもしれません。
そこに、運命の感覚を重ねる人は多いでしょう。ですが、その時、その瞬間、それが運命だと感じていたでしょうか。
「あれは運命だった」と思ったのは、だいぶ後になってからだったかもしれません。「あの時、あそこから流れが変わった」と。過去を振り返って始めて、それが運命だった・・・と思うようになるケースがほとんどでしょう。
ですが、流れが変わらなかったり、特に心が動揺するようなことがなければ、それが「運命の分岐点だった」と振り返ることもないはずです。
運命とは意思とは関係なく何かをもたらすものではない
運命は変わるけれど、宿命は変わらないもの。といったように、ざっくりと理解されていることが多いかもしれません。
スピリチュアルな見地からすると、半分は正解で、半分は不正解だと言えるでしょう。
わたしたちが運命や宿命と呼ぶものは、カルマがベースとなってできているもの。カルマは、わたしたちの過去生から積み重ねてきた感情体験から作られていますから、もちろん人の意思とは無関係なものではありません。
つまり、運命や宿命は、わたしたち人の意思と関係なく、わたしたちの人生に何かをもたらすものでは決してないのです。
無意識の衝動が引き寄せる事を運命と感じる
そうはいっても、自分の意思でどうにもならないものはあるでしょ?と思うかもしれません。
そう、カルマとなっている感情体験は、無意識下に深く潜んでいるので、わたしたちの顕在意識が自覚できない場合がほとんど。自分の意思でどうにかしているとも思えないし、どうにかできるとも思えないのが普通です。
ゆえに、その無意識の衝動、それが引き寄せる出来事が、運命や宿命のように、わたしたちには体験されます。
無意識にあるものがわたしたちの人生を創っているということは、心理学でも言われていることですが、スピリチュアル的には、それをカルマとして意味づけすることができます。
好みや性格が運命を決める
性格が人生や運命を決める、というのも良く言われることです。
四柱推命や西洋占星術などの占いの命術においては、生年月日と出生時間から、運勢傾向のほか、その人の性質、感情傾向や行動パターン、趣味趣向等も読み解くことを常としています。
こられが示す生まれ持った性質や好みの傾向は、本人としては、生理的なもの、あるいは本能的なものと感じることが多いでしょう。
人生は選択の連続ですが、わたしたちは、日々いつの瞬間にも、自分の性質や好みに基づいて自分が良いと思う選択をしているもの。その積み重ねが人生なのですから、性格や好みが運命を決める、と言っても全く過言ではありません。
生まれ持った性格や好みは過去生の影響がある
わたしたちには、人それぞれに好みがあり、価値観もさまざま。ひとりとして全く同じパーソナリティーの人も存在しません。
では、そうした生まれ持った生理的な反応、本能的な衝動というのは、いったいどこからくるのでしょう?心理学的には育った環境に因果を求める傾向にありますが、突き詰めていけば、育った環境だけが要因だとは言い切れない部分があるのは、誰もが感じることでしょう。遺伝の要素を含めても、それだけでは、説明できないことは多いものです。
生まれ持った生理的な反応、本能的な衝動というのは、過去生からの影響があると見るほうが自然なケースは少なくないでしょう。カルマの法則は、生まれ持った性格や好みの中に、如実に顕れているのです。
運命は変えられる
運命は変えられるか、という問いは、言い換えると、性格を変えられるか、ということと同意だと言うことができます。
生まれてからずっと全く同じ好みで、同じ性質、という人は、むしろ少ないのではないでしょうか。
根本的な気質やこだわりは変わりにくいかもしれませんが、それにしても、長年身につけてきた習慣や癖ですら、丁寧に取り組めば変えることができます。生まれ持った体質だって、改善することは可能ですし、それを体現している人は少なからず存在しています。
カルマも性格的なものと同様で、解消しようと意識しなければ解消されにくいものですが、意識すれば確実に変えることは可能なのです。
運命に翻弄されないために
わたしたちが「運命」と呼んでいるものは、大抵の場合、それはカルマに影響されたものです。抗うべきものでもなく、抗いがたいものでもないのが運命なのだと言えるでしょう。
抗うべきものがあるとしたら、「これは自分にはどうにもできない運命だ」と思いたい、諦めたいわたしたちの心なのかもしれません。
つい選んでしまうもの、つい引き寄せてしまうもの、偶然出会うもの・・・。それが「善きもの」ばかりではないとしたら、ネガティブなカルマの影響をかなり強く受けていますから、ぜひ、自分の無意識に潜んでいるものに興味を持ってほしいものです。
運命に翻弄される人生ではなく、「善きもの」を引き寄せ続ける人生にするためには、無意識をできる限り意識化していくこと。ネガティブなカルマからくる無意識的な衝動をやめて、意識的に意思を持って次の選択をしていくことです。
それが魂から輝ける人生へと向かう一歩。本当の運命へと向かう道筋です。
最後に
いかがでしたか? 無意識が引き寄せるものは、あたかも運命のように見えるものです。ですが、無意識も、わたしたちの意識の一部。自分自身の力だと認めてゆくと、わたしたちの人生の取り組み方は、もっとパワフルになるのではないでしょうか。運命に翻弄されない人生へ。自分自身ともっと深く向き合い直してみると、必ずやポテンシャルが見つかることでしょう。
運命とは何か?その意味を分かりやすく解説
・運命とは個人の内なる感覚
・運命とは後になって感じるもの
・運命とは意思とは関係なく何かをもたらすものではない
・無意識の衝動が引き寄せる事を運命と感じる
・好みや性格が運命を決める
・生まれ持った性格や好みは過去生の影響がある
・運命は変えられる
・運命に翻弄されないために