お墓参りの基本的なことが知りたい方へ。
私たち日本人には、お墓参りをするという風習があります。特にお彼岸やお盆の時期は、お墓参りをするという方が多いと思います。
先祖代々受け継いだお墓を守っているという家もあると思いますが、なぜ私たちはお墓参りをするのでしょうか。
本記事では、ヒーラー、メンタルケア心理士の坂木理恵が、ご先祖様のお墓参りの意味、マナーなど基本情報をご説明したいと思います。
お墓とは
日本では古くから、亡くなった人の遺体を埋葬するという習慣がありました。埋葬するのは、生命が誕生するとされていた大地に亡くなった人を還すという意味があります。
古墳は権力者のお墓
日本全国に残っている古墳もその時代の権力者を埋葬したお墓ですが、今のように石を加工してお墓を建てるようになったのは平安時代になってからです。一般庶民は土葬した上に土を盛って木の杭を建てたり石を置いたりしたものがお墓でした。
五輪塔
鎌倉・室町時代になると仏教的な習慣が取り入れられるようになり、「五輪塔」と呼ばれるお墓の形になりました。これは、「人がなくなると、地・水・日・風・空の五大元素に還元して、亡くなった方を成仏させる」という仏教の教えが元になっているとされています。
江戸時代中期から今のお墓の形に
仏教が普及し、庶民の生活に仏事が定着したのは江戸時代中期になってからですが、現在の一般的なお墓の形はこの頃から定着しています。
お墓はご先祖様をお祀りする場所
時代によってお墓の形は変わってきましたが、縄文の昔から日本人には亡くなった方を埋葬して供養する、ご先祖様を供養するという思いが強かったのだと思います。
お墓を建てることは義務ではないはずなのに、私たちはお墓にこだわります。それは、先祖から受け継いだ家、家族を大切にしてきた民族だからではないでしょうか。
お彼岸にお墓参りをする意味
昼と夜の長さが同じになる「春分の日(3月20日から3月21日ごろ)」と「秋分の日(9月22日から9月23日ごろ)」。この日を中日と言い、前後3日の1週間をお彼岸と呼び、中日の3日前が「彼岸の入り」、3日後が「彼岸の明け」になります。
先祖様の安らかな成仏を願うために、そしてご先祖様のおかげで自分の命が与えられてことを感謝するために会いに行くのです。
お彼岸のお墓参りに行く日
お彼岸のお墓参りは1週間の間ならいつでもいいとされていますが、できれば「彼岸の入り」に会いに行ってあげたいですね。
どうしてもお墓参りに行けない場合、お彼岸の前でも後でも構いませんが、お彼岸に亡くなった人の供養を行うことで、自分も迷わず成仏できるとも言われています。
お盆のお墓参り
ご先祖様の成仏を願い、報恩感謝の気持ちで供養するということには変わりはありません。
正式には盂蘭盆会と言い、もともとは7月13日から16日の期間に行われていた仏教行事です。明治時代になって太陽暦が導入されてからは、旧暦に基づくお盆の期間が8月ということで、お盆行事を8月に行う地域もあります。
お盆のお墓参りに行く日
7月、8月のどちらであっても、13日から16日がお盆の期間とされています。13日は盆の入り、16日は盆の明けと言います。
ただ、どうしても13日は無理だという方は、お盆の期間ならいつでもいいと思います。何度も書きますが、お墓参りに大切なのはご先祖様への感謝の気持ちと供養することです。
お墓参りをした後はご先祖様と一緒に家に帰り、丁重なおもてなしをしますが、ここではお墓参りがメインテーマなので、お盆のおもてなしについては割愛します。
お彼岸やお盆以外のお墓参り
お彼岸やお盆以外にも、亡くなった方の命日や正月、法要などの時にお墓参りをします。
他にも、就職や結婚が決まった時、ご先祖様に報告するためにお墓参りをするという方もいます。これは、先祖のおかげで命が与えられ、幸せに暮らすことができるという感謝の気持ちを伝えるためでもあります。
先祖と一緒に喜びを分かち合う、それも供養になるのではないかと思います。
お墓参りのマナー①持ち物
お墓参りに行くときは、
- 数珠
- 線香
- ろうそく
- 生花
- その他お供え物
などを持っていきます。線香やろうそくに火をつけるライターなども必要です。
寺院や霊園にはお墓を掃除するための箒やタワシ、手桶や柄杓が用意されているところもありますが、必要であればそれも持っていきます。
お墓参りのマナー②作法
お墓参りに行くときの服装は、派手な色のものは避けて、清楚でシンプルなものが好ましいと思います。
お墓参りをする時の作法は特に決まっていませんが、基本的な手順を書いておきましょう。
- 寺院に墓地がある場合、お寺に着いたらご住職に挨拶し、本堂のご本尊にもお参りします。
- その後、手桶や柄杓を借りて、水を汲んでからお墓に行きます。
- 生花などお供え物をしてから、ろうそくや線香に火をつけます。
- お参りの順番は、亡くなった方との縁が深い人から。墓石に水をかけ、正面で合掌しながら、冥福を祈りながら感謝の気持ちを心の中で語り掛けます。
- この時、手に数珠をかけて胸の前で両掌を合わせ、軽く目を閉じ、頭は30度ほど傾けます。
- お参りが終わったら、生花や線香、ろうそく以外のお供え物は持ち帰ります。
最後に
日本人は、地域や家族の絆を大切にする民族なのだと思います。お墓参りという風習は、その気持ちの表れとして根付いてきたのではないかと思います。私たちが今こうして生きているのは、ご先祖様の存在があったからです。お墓参りをする時は、その感謝の気持ちを伝えたいですね。
以上、ヒーラー、メンタルケア心理士の坂木理恵がお伝えしました。最後までご覧頂き、有難うございました。